弱いのは『飛ばないボール』のせい?!
2009.06.24 Wednesday
興味深い記事を見つけたので、そのまま引用
〜夕刊フジから
なぜ阪神はこんなに弱くなってしまったのか。真弓新監督の采配や正捕手不在など諸説ある中、野球解析家の道作(どうさく)氏は「ここ何年も広い甲子園とあまりに飛ばないボールに頼って勝ってきたが、過剰なホームアドバンテージのせいで他球場で通用する選手がいなくなった」と持論を展開。「今いる選手の総取っ替えが必要かもしれない」と、暗黒時代の到来に警鐘を鳴らす。
【他球場に不向きな打線に特化】
真弓政権1年目の阪神は、ここまで24勝33敗3分でセ・リーグ5位に低迷。交流戦でも借金を4つ増やし、光明を見いだせずにいる。「ダメ虎復活」とバッシングを受ける真弓監督だが、主戦場の甲子園では得点86、失点79で12勝10敗と合格点の成績だ。ところが甲子園以外の戦いが問題で、得点131、失点143の11勝23敗と大きく負け越している。
道作氏の診断では「飛ばないボールを使うシーズンが長すぎたために、
各選手が飛ばないボールへの対応に特化しすぎた状態になっているのでは
ないか」というのだ。
阪神主催試合の使用球は那須、久保田、ゼットの3社。各球団とも使用球の詳細は極秘事項だが、ここ数年の阪神の使用球は「飛ばない」ことで定評がある。その上、広くて、特に左打者に不利といわれる名物の「浜風」が
吹き抜ける甲子園が投手有利な球場なのは明白だ。
本塁打の出やすさを測る指標「パークファクター」で、甲子園は平均値の1を1991年以来30年近く下回ってきた。特に昨季の数値は異常で、
セで最も本塁打が出やすい東京ドームの1.758に対し、甲子園はわずか0.358。例えば金本は昨季27本塁打だが、東京ドームが本拠地なら
52本に達した計算になる。道作氏は「異常と言っていい格差。
もはやスポーツのあり方として問題だ」と指摘する。
まさに甲子園は“異空間”。他球団の打者にとっては、打った瞬間は
本塁打や外野の頭を越す感覚の打球が平凡な外野フライに終わる。
逆に阪神バッテリーは思い切って球威で押す配球ができる。
まさにJFKの投球スタイルだ。
【思い切った選手の入れ替え必須】
一方、阪神の打者は甲子園で本塁打は打てないと腹をくくり、
長打を捨ててつなぎの打撃に徹する。
かつて大砲と期待された浜中は阪神を去り、
関本も巧打者タイプに。昨季加入した新井も本塁打が激減してしまった。
つまり今の阪神は、過剰ともいえるホームアドバンテージに対応した
甲子園専用選手の集まり。甲子園での勝率が上がる一方で、
より打球が飛ぶ他球場では“借りてきたネコ”に変貌。
投手は甲子園なら外野フライで済む打球をスタンドまで運ばれ、
打線に相手のアーチ攻勢に対抗できるだけの長打力はない。
ならば甲子園でもっと勝とうと、内弁慶に拍車がかかるという
悪循環にしかならない。
“飛ばないボール”はまさに麻薬。失点を減らす効果はてきめんだが、
長距離砲が育たないという深刻な副作用をもたらす。
そこそこの助っ人大砲では補いようがない。
かといって、急に他球団と同様の“飛ぶボール”にしたら、現状の甲子園専用選手たちが混乱するのは必至だ。「長期的な視野に立てば、目先の勝利を捨ててでも、普通のボールに対応できる選手に切り替えていくべき」と
道作氏。現状を打破するには、思い切った選手の入れ替えが必須というが…。ここ数年ですっかり勝ちに慣れた阪神に、“張り子の虎”を自覚する覚悟はあるか。
2009年6月23日 15時52分 夕刊フジ
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〜夕刊フジから
なぜ阪神はこんなに弱くなってしまったのか。真弓新監督の采配や正捕手不在など諸説ある中、野球解析家の道作(どうさく)氏は「ここ何年も広い甲子園とあまりに飛ばないボールに頼って勝ってきたが、過剰なホームアドバンテージのせいで他球場で通用する選手がいなくなった」と持論を展開。「今いる選手の総取っ替えが必要かもしれない」と、暗黒時代の到来に警鐘を鳴らす。
【他球場に不向きな打線に特化】
真弓政権1年目の阪神は、ここまで24勝33敗3分でセ・リーグ5位に低迷。交流戦でも借金を4つ増やし、光明を見いだせずにいる。「ダメ虎復活」とバッシングを受ける真弓監督だが、主戦場の甲子園では得点86、失点79で12勝10敗と合格点の成績だ。ところが甲子園以外の戦いが問題で、得点131、失点143の11勝23敗と大きく負け越している。
道作氏の診断では「飛ばないボールを使うシーズンが長すぎたために、
各選手が飛ばないボールへの対応に特化しすぎた状態になっているのでは
ないか」というのだ。
阪神主催試合の使用球は那須、久保田、ゼットの3社。各球団とも使用球の詳細は極秘事項だが、ここ数年の阪神の使用球は「飛ばない」ことで定評がある。その上、広くて、特に左打者に不利といわれる名物の「浜風」が
吹き抜ける甲子園が投手有利な球場なのは明白だ。
本塁打の出やすさを測る指標「パークファクター」で、甲子園は平均値の1を1991年以来30年近く下回ってきた。特に昨季の数値は異常で、
セで最も本塁打が出やすい東京ドームの1.758に対し、甲子園はわずか0.358。例えば金本は昨季27本塁打だが、東京ドームが本拠地なら
52本に達した計算になる。道作氏は「異常と言っていい格差。
もはやスポーツのあり方として問題だ」と指摘する。
まさに甲子園は“異空間”。他球団の打者にとっては、打った瞬間は
本塁打や外野の頭を越す感覚の打球が平凡な外野フライに終わる。
逆に阪神バッテリーは思い切って球威で押す配球ができる。
まさにJFKの投球スタイルだ。
【思い切った選手の入れ替え必須】
一方、阪神の打者は甲子園で本塁打は打てないと腹をくくり、
長打を捨ててつなぎの打撃に徹する。
かつて大砲と期待された浜中は阪神を去り、
関本も巧打者タイプに。昨季加入した新井も本塁打が激減してしまった。
つまり今の阪神は、過剰ともいえるホームアドバンテージに対応した
甲子園専用選手の集まり。甲子園での勝率が上がる一方で、
より打球が飛ぶ他球場では“借りてきたネコ”に変貌。
投手は甲子園なら外野フライで済む打球をスタンドまで運ばれ、
打線に相手のアーチ攻勢に対抗できるだけの長打力はない。
ならば甲子園でもっと勝とうと、内弁慶に拍車がかかるという
悪循環にしかならない。
“飛ばないボール”はまさに麻薬。失点を減らす効果はてきめんだが、
長距離砲が育たないという深刻な副作用をもたらす。
そこそこの助っ人大砲では補いようがない。
かといって、急に他球団と同様の“飛ぶボール”にしたら、現状の甲子園専用選手たちが混乱するのは必至だ。「長期的な視野に立てば、目先の勝利を捨ててでも、普通のボールに対応できる選手に切り替えていくべき」と
道作氏。現状を打破するには、思い切った選手の入れ替えが必須というが…。ここ数年ですっかり勝ちに慣れた阪神に、“張り子の虎”を自覚する覚悟はあるか。
2009年6月23日 15時52分 夕刊フジ
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