下柳氏からの“お墨付き”が虎・榎田の大きな自信に
2016.04.11 Monday
3月25日のプロ野球開幕から、約2週間。榎田投手(29)は、
早くも“師匠”にお墨付きをもらった。4月7日に東京ドームで
行われた巨人戦の試合前練習時のこと。解説の仕事で球場を
訪れていた元阪神の下柳剛氏が、左腕に声をかけた。
「もう完全に戻ったな。前みたいな感じで投げてるわ」
褒め言葉に、背番号13はニッコリ笑顔。「そうですか!」
とうれしそうに声を上げた。
下柳氏は今年の2月の阪神・宜野座キャンプで臨時コーチを務めた。
香田、金村の両1軍投手コーチが、ともに右投げということもあり、
左投げ投手を中心に指導。その中で榎田にもアドバイスを送っていた。
「ミットをのぞき込むというか、体が突っこみやすいので、
反るぐらいのつもりで意識してやっている」
大先輩に指摘され、取り組んだことは悪癖の修正。キャンプから
継続してきたことは、すぐに結果に表れた。開幕から6試合連続で
無失点リリーフ。7試合目の4月9日の広島戦(甲子園)こそ3失点し、
今季初黒星を喫したが、翌10日の同カードでは七回からの
2イニングを完ぺきに抑えた。テンポよく、キレのある球を
コーナーに投げる小気味いい投球に、かつての姿が重なる。
ルーキーイヤーだった2011年。新人ながらセットアッパーに
起用され、62試合に登板。33ホールドを記録した。
当時の頼もしい姿を覚えているファンは多いだろうが、
それは先輩左腕も同じ。
「1年目を知っているからね。よくなってほしい」
キャンプ当初、期待を込めて話した言葉は現実のものに
なりつつある。榎田にとって、ここまでの結果はもちろん、
下柳氏からの“お墨付き”は、シーズンを戦う上での
大きな自信になるはずだ。